書籍の棚から

つり人社書籍編集長Oがお送りする折々のおすすめ単行本情報。 内容はもちろん、本のオビや自社広告には書けなかったこと、 制作現場のコボレ話などを交えて紹介していきます。新刊だけが本じゃない! ときどきの息抜きコラム「今週のちょっと寄り道」もどうぞ。

今週のピカイチ本!

山の仕事、山の暮らし   高桑信一

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みなさま、今年もお世話になりました。

本年最後にご紹介する本は、
『山の仕事、山の暮らし』(高桑信一)。
読み応えのある一冊です。

本書は、別冊つり人『渓流』の連載「山に生きる」を
一冊にまとめたものです。
著者の高桑さんはこの連載を通じて、
約10年にもわたって山に生きる人々の暮らしを追い続けました。
本に登場する19人の人たち−ゼンマイ採り、山小屋の女主人、
山椒魚採り、奥山の蜂飼い、漆掻き、炭焼き−
彼・彼女(あるいは夫婦)たちの山に沿った仕事と暮らしぶりが、
たんねんな取材に裏付けられたその文章によって
鮮やかに描き出されてゆきます。

1993年の連載開始以来、著者はまた、取材を通して
山に生きる人たちが次々にその姿を消してゆくのを
見続けてきました。放っておけば誰知るところもなく
消えていった人たちの暮らしを、その豊かな最後の光を、
著者は掌に掬いとるようにこの本に書き記したのです。

時計の針は一日24時間を刻みますが、
人間一人一人を同じように通り抜けていくとは限りません。
ここにあるのは、自然に寄り添い、自然に支えられて生きてきた
人たちの、ゆっくりとした時の流れの記録です。

あなたもどうぞ、本書を通じて忙しない時間の流れを、
しばし緩めてみませんか。

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山の仕事、山の暮らし
四六版上製448P 定価:2520円(税込)

掛け値なしの傑作です。

今週のピカイチ度★★★
渾身のルポ度★★★
消えゆく日本の名もなき暮らし度★★★
(★3つで最高)

新年もよろしくお願い申し上げます。よいお年を。

寿晴の実践・和竿作り  寿晴(じゅせい)

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弊社の「隠れヒット」本です。
江戸和竿と聞いて、一部のマニアが使うもの、高嶺の花ならぬ
高値の品というイメージをお持ちではありませんか?
ところがところが。
意外というか今でも和竿のファンは多く、
中には「自分で作ってしまえ」という器用な方もいらっしゃいます。
とはいえ、やはりそこは職人技の世界。
まして、手順や方法がわからなければどうにもなりません。

そこでこの本の登場です。
本書では、現役の江戸和竿師である寿晴さんが、ガイド付き船竿の製作を写真・図版付きでていねいに解説しています。
アマチュアを対象に「趣味の和竿作り」教室を続けてこられた寿晴さんの冒頭の言葉「皆さんも、職人になるのは至難なことですが、職人並みの仕事をすることは可能です。要するに、職人でなくてよい、一流のアマチュアになっていただきたい。そんな思いを込めてまとめたこの書がみなさんの一助になれば幸いです」には、大きな説得力があります。

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寿晴の実践・和竿作り
寿晴 B5判96P全カラー 定価:2100円(税込)


今週のピカイチ度
釣り人の自己満足度★★★
これでアナタも一平じいさん度★★

続・平成の竹竿職人 焼き印の顔   葛島一美 著

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とてもユニークでかわいいカバーの本です。
内容は、江戸和竿を中心とした竹竿の「焼き印」に焦点をあてたもので、
東作、竿忠をはじめ、さまざまな筋の和竿の「焼き印」をカラー写真と
文章で紹介しています。ちなみにカバーは銀座東作の焼き印です。
和竿師が自作の竹竿に押す焼き印は、品質保証のようなものでしょうか。大きさ、縦横わずか数ミリから大きくても1〜2センチ四方止まり。
そしてその「焼き印」には、思わぬストーリーが隠されていたのです…。

本書の素晴らしいところは、代を継いできた和竿師の場合、歴代の焼き印が可能な限り収載されていること。また、お店物などのグレード違いの焼き印も分かるようになっていることです。江戸和竿の時代考証として、超一級の資料と言い切っていいほどの労作でもあります。

著者の葛島さんは本書の作成にあたって、紹介している和竿師で
存命の方にはすべてお会いし、自ら写真を撮り、貴重なお話をたくさん
伺われました。そのお話がまた、とんでもなく面白い。
バックトゥ・昭和というか、和竿師が見てきた景色が当時の色のまま、
文章から立ち上がってくるのです。二度とこんな本はできません。

釣りザオがカーボン製全盛になって久しいですが、
和竿なんか高価でマニアックで一部の数寄者の遊び道具でしょう…
と思われている方は、ぜひともこの本をお読みになってみてください。

和竿は人也、であります。

ところでどうして突然本書をご紹介したかと言いますと…、
最近ネットオークションにも和竿がちらほら登場しているようですが、
本書はきっと役立ちますよ、ふっふっふ(笑)。


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続・平成の竹竿職人 焼き印の顔
B5変形判160P全カラー 定価:2625円(税込)

今週のピカイチ度★★★
昭和にタイムマシーン度★★
何でも鑑定団の鑑定士必携度!?★★★
(★3つで最高)

平成の竹竿職人     葛島一美

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さて、秋の大読書月間も終わり(始まりも終わりも勝手で恐縮です)、
いつもの弊社の単行本紹介に戻ります。

本書は江戸和竿の和竿師を中心に、川口・鳩ヶ谷など首都圏近郊に
工房を構える39人の和竿師とその作品をオールカラー(!)で
丹念に紹介しています。
著者は一人ひとり和竿師を尋ね、竿造りの真髄から竿師の人となり、
釣りの話はもちろん意外なエピソードまで、和竿にまつわるさまざまな
話を聞きだしては本書に綴っています。そのすみずみに、和竿と
和竿師への限りない愛着と敬愛の精神が感じられます。これは、
台東区の東上野に生まれ、小さな頃から下町で釣りに親しんできた
著者だからこそ作り上げることのできた一冊ともいえましょう。
中には刊行後、お亡くなりになられた和竿師の方もおられます。
そういう意味では、二度と作ることのできない貴重な本でもあります。
2002年の刊行以来、おかげさまでその価値が多くの方に認められ、
何度も重版をさせていただいております。

「和竿なんて高いし自分には関係のない特殊な世界だ」とお思いの
方も今では多いことでしょう。
でも、その魅力を一度でも体感してしまうと、もう離れられない魔力的
ともいえるエッセンスが和竿にはあります。
特に、竹ならではの感度と味わい、漆塗りの美しさ、天然素材のもつ
やさしい手触り感、それに何にも増して注文竿となれば、
世界にただ一竿、己の竿を誂えるという喜びがあります。
和竿の素晴らしい世界を、ぜひ本書で体感してみてください。
和竿入門者の方のためのアドバイスコーナーもあります!

ご注文は下記からどうぞ(ただ今送料ほぼ全国無料!)

平成の竹竿職人
B5変形判並製160P全カラー
定価:2625円(税込)



今週のピカイチ度 ★★★
和竿は天然エコ素材100パーセン「度」 ★★★
「江戸の粋ならこの一冊」度 ★★★

ペーパー・フライズ  神谷利男



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読者の皆さま、シルバーウイークは
いかが過ごされましたでしょうか。
今回は、絵本のように楽しい一冊をご紹介しましょう。
「ペーパー・フライズ」というタイトルの本書は、
フライタイイングを紙でやってみたら?
というユニークな内容。
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上は発売当初の本の帯です(クリックで大きくなります)。
この、切り絵アートもため息ものですが、もっとスゴイのが、
その下に写っている「影」。
もしも自分が魚で、水面のドライフライを下から見たら、
こんなシルエットに見えるに違いない!
切り絵が織り成す影絵のアートという、
世界でも類を見ない、とんでもなく独創的な世界が
展開されていきます。

著者の神谷利男さんは、商業デザインの仕事をなさる
かたわら、「サカナヘンノヒトタチ」という名前の
面白い展覧会を毎年主催されていて、
ある年の自分の展示品用にこの「ペーパー・フライ」を
思いつきました。そして、展示の際にライトアップしてみると、
「あっ…この影。めっちゃリアルやん」
そう、まさにコロンブスの卵というか、素晴らしい偶然の
発見があったのです。

それにしても、どうやったらこんな切り絵ができるのでしょう。
しかも、そこに光を当てた時にできる影が、ちゃんとフライの
シルエットになるという…。
ご本人に聞くと、
「…なんででしょうね」とただ笑っておられました。
「なんとなく、できるんですよね〜」とも。
すすす、すごい…。まさに才能です。

というわけで、本書には30の切り絵&影絵フライが
収録されているのですが、内容はそれだけに留まりません。
1つ1つの作品に、実際のフライのほか、
著者のフェバリットタックル(垂涎モノです)と、
印象的なエッセイが綴られているのです。

とにかく素敵なデザインに目のない人、
オリジナルな感性に惹かれる人には、
迷わずこの本をお勧めします。

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ペーパー・フライズ
神谷利男 著
A5判並製80P
定価:1470円(税込)


今週のピカイチ度★★★
世界に二つとない独創度★★★
個人的に「フライのベストBOOK10」入り度★★★
★3つで最高








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