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『東日本大震災を生き抜く』
鈴子陽一 著
四六判並製 定価:998円(税込)


残暑の最中、8月下旬に作りあげた本です。

著者の鈴子陽一さんは、釣り人にとっては
『友釣り強化書』でおなじみの友釣りマン。
トーナメンターとしての第一線を退かれた後は
故郷の岩手・釜石で整骨院を継がれ、
海・川釣り三昧といううらやましい毎日を送られていました。
そう、あの日までは…。

3.11.2011.東日本大震災と、押し寄せる大津波を
地元・釜石で体験した鈴子さんは、
その日から何かに憑かれたように一日の記録を
残し始めました。誰に頼まれたわけでもなく…。

当時の心境を、鈴子さんはあとがきに
こう記されています。

ただただ夢中で書き続けた。
後々のために……。
自分のために……。
そのとき、その瞬間何を見て、何を思い、何を考えたか。

その一部は、貴重な言葉として、
本の帯にも使わせていただきました。

被災された方たちは、あのときからの一瞬一瞬が、
まさに死ぬか生きるかの連続だったのでしょう。
鈴子さんはその個人体験を、赤裸々に書き綴りました。
いや、書き殴ったといったほうが正確かもしれません。

ここにはマスコミが取材してまとめ上げた記録とは
別の視点の、個人の体験が詰まっています。
僕は、鈴子さんの原稿を一冊の本に編集していく過程を
通じて、その体験の一部を共有しました。

読む価値のある本です。

どうか、是非。

個人的には、

「がんばろう釜石
 みんなでがんばろう」

とマジックで記されたビニールの風避けの写真と、
「スナックのママたちの絆」
と題された文章が、とりわけ好きです。


そういえば昨日、
冬支度(断熱)をしている被災地の仮設住宅のようすを
TVのニュースで見ました。
今日は首都圏も寒いです。
北国の皆様、どうかお大事に。