2010年08月
…という本を戴きました。
編集の仕事をしていると、
ときどきこういう機会があります。
本好き馬鹿としては、
本を戴くのってもう本当にうれしくて。
(子どものころからそうでした、ははは)
というわけで、今回は釣りとは何の関係もないのですが
ご紹介させてください。面白いです。
本の著者は、東京・新宿駅の駅ビルで
「ベルク」という外食のお店を夫婦でなさっています。
坪数15の小さなビアカフェですが、
なんと来客数は1日平均1500人!
早い・安い・美味いの3拍子で客のハートをがっちりつかみ、
しかもファストフードではなくて、
身体にやさしい本物の食材や飲み物を供することに
こだわっている。
その「お店づくり」のようすが、著者の言葉で
非常に具体的につづられています。
ビジネスのヒントに、というよりも、
「食」を「職」に据えた一人の女性の、
生きる姿勢の美しさを感じさせてくれる本です。
読むと元気が出ますよ。
あ、おなかも空きます…。
「そんなお店ホントに新宿駅にあるの?」と思われた方は、
ぜひ本書をお読みになって、お店へ立ち寄られてみては
いかがでしょう。
先週日曜日のことです。
例によって快晴猛暑の1日でしたが、
夕方5時半を回るころになると珍しく涼しい風が。
「散歩しようか」と、カミさんと車で近所の川辺へ出かけました。
ウチは神奈川県の長津田という土地の近くで、
鶴見川に注ぐ河川が数本流れています。
その周辺は田んぼや畑が広がっていて、散歩するのに
とても気持ちがよかったりするのです。
犬の散歩をしてる人
ジョギングしてる人
ただなんとなく歩いている人
農作業を終えて帰ろうとしている人
いろんな人がいます。
でも、ここで釣り人を見かけたことはありません。
今まで、一度もです。
川は両岸護岸されています。
川床はちょっとわからないのですが、場所によっては
小さな中洲があったり、岸よりは自然な印象です。
水深は全体に浅そうだけど、ときどき瀬もあったりして、
魚がいたっておかしくなさそうなんだけど。
この日、はじめて釣り人の姿を見ました。
ガードレールの内側にいた20代くらいの若い男性2人組。
一目で釣り人だとわかり、近づいて彼らに声をかけました。
すると、ルアーでピッチングを繰り返していたその2人は、
いつもは別の場所でナマズをルアーでねらっているのだ
けれど、今日はまだ釣りをしたことのないこの近場に
何かいないかと思って探りにきたのだといいます。
いつもの場所とこの川は同じ水系だから、
ここにもいるんじゃないかと思うんですよと、
笑顔で答えてくれたのです。
僕には、
魚がいるかどうか保証のない流れに向かって
ロッドを振っている2人の姿が、その冒険心が、
とてもすがすがしく見えました。
そして、どこかに置き忘れていた釣りの魅力の1つを
思い出させてくれたような気持ちにもなったのです。
「同じ水系だから、ここにもいるんじゃないか」
という2人の読みが当たるといいな。
川が生きている証しに。
夏の夕暮れどき、
若い2人の釣り人を気にかける人は誰もいない。
でも、水辺の景色はやっぱりこうでなくっちゃ。
残暑お見舞い申し上げます。
「暑いですね」
今年の夏はもう何回この言葉を口にしたことでしょう。
その回数はまだまだ増えそうです。
普段は自販機の清涼飲料水に手を出さない私も、
机の上には某・カラダバランス飲料なるものが…。
さて。
こう暑いと、長い文章を読むのが
チョットつらくなってきますね。
そこで今週のおススメはこちら。
つり人ノベルズ
『フライフィッシング紀行』
芦澤一洋
新書サイズ260P/定価:998円(税込)
日本のフライフィッシングがまさに
青春時代にあったころの芦澤さんの目を通して、
さまざまな土地のフライフィッシングが綴られています。
その旅はイエローストーンからはじまって、
カナダ、バハマ、ニュージーランド、そして日本へ。
木漏れ日に輝く渓流の玉砂利のような美しさを放つ
24の短編、絶品です。
今週のピカイチ度★★
読んだら海外に行きたくなる度★
暑い夏の読書は短編集に限る度★★★
(★3つで最高)
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