書籍の棚から

つり人社書籍編集長Oがお送りする折々のおすすめ単行本情報。 内容はもちろん、本のオビや自社広告には書けなかったこと、 制作現場のコボレ話などを交えて紹介していきます。新刊だけが本じゃない! ときどきの息抜きコラム「今週のちょっと寄り道」もどうぞ。

ネットで本を買う時は……「配送料」のお話。

インターネットの普及とともに、すっかり定着したネットショッピング。弊社の商品も、弊社HP(いいつり人)、 アマゾン、セブンアンドワイなどでお買い求めいただけます。これらのいわゆるインターネット通販を利用する際、気になるのが「配送料」。内輪話で恐縮です が、カミさんがときどき利用している化粧品やら何やらの関係のものは、「商品お買い上げ1万円以上の場合は送料無料!」とあることが多いようです。

しかし、本は単価の安いものもあるだけに、たとえば1,000円の本を購入して配送料700円とかだと、ちょっと買う気が失せちゃいますよね……!?

そこで、少しだけ調べてみました。
(※ 下記の情報は、この原稿を書くために編集者が調べた範囲内でのものです。詳細はご利用の際、各HP上にて改めてご確認ください。またここでの「配送料」は 国内のものです。場合によっては一部離島等は別扱いとなっていることもあります。振り込み手数料、代引き手数料等の話は除外しています)

まず本といえば(扱う商品は別に本に限らないのですが)のアマゾン。こちらは「1,500円以上(新品商品)配送料無料」とあります。1,500円未満の 場合は300円だそうです。また別にコンビニのローソンと提携して最寄りのローソンに配送してくれるシステムがあり、その場合「Amazonプライム会 員」は配送料無料となっています。

次にセブンアンドワイ。同じく1,500円以上で配送料無料、1,500円未満の場合は300円。最寄りのセブン−イレブンに配送してもらうシステムを利用した場合は、購入価格にかかわらず配送料は無料。これは便利かも。

最後に弊社の場合ですが、お買い上げいただいた商品の価格にかかわらず配送料は無料とさせていただいております。

配送料についてはこんな感じですが、いかがでしょう。実際には、各社とも配送料以外にさまざまなサービスがあるので、上手に使い分けるとよいかもしれませんね。

個人的な経験で言うと、「コンビニ配送」はかなり便利です。アマゾン、セブンアンドワイともに利用したことがありますが、一定期間コンビニに置いてくれる ので24時間好きな時に取りに行けますし、注文した品物が現在どこまで来ているのかがネットですぐわかるようになっていて(アマゾンで注文した時のことで す)安心できます。弊社の場合は……僕の場合は営業部に直接買いに行くので参考になりません、ゴメンナサイ。

最後に、弊社の商品(書籍、雑誌、DVD等)は、もちろん最寄りの書店、釣具店からもご注文いただけます。

「書籍編集部」について。

僕が働いている会社の部署=書籍編集部について少しご紹介させてください。弊社には大きく分けて3つの「編集 部」があります。1つは『つり人』などの定期誌を作っている各雑誌の編集部、2つめはムックを主に製作している企画編集部(ちなみにムックというのは book=ブックとmagazine=雑誌をくっつけた造語です)、そして3つめが僕のいる書籍編集部。「部」といってもここは僕一人。主に単行本をシコ シコ作っています。地味です。

釣りジャンルの単行本は見た目もいろいろで、文字通り一般文芸書のような体裁・内容のものから、大判で写真も多用した雑誌とほとんど変わらないものまであ ります。ちなみに今は、海外のバスフィッシングの読み物や(巨バスをめぐるオムニバスストーリー。メチャ面白!)、都心の河川をテーマにした本なんかを 作っています。

単行本を作る面白さは、シリーズものを除けば一点一点が独立していて、新しい気持ちで取り組めることにあると思います。企画もお仕着せではなく丸ごと一か ら立てられ、製作面でも、判形、カバー&本文の用紙選びなど、定期誌にはない選択肢があって飽きることがありません。

ただし、たいへんなのは、一度に大量の情報を扱うのでホネが折れるのと、単行本には広告収入というものが存在しないので製作コストがストレートに価格に反 映されてしまうこと。たとえば紙。これが安いのと高いのとでは仕入れ単価が5倍以上も違う、なんてことはザラです。また、釣りという趣味の本である性格 上、一度にたくさん刷れない(売れない)という宿命もありまして…何かとやりくりがたいへんです。

弊社の本を買ってくださった方から、

「この本カラーならよかったのに」

といわれることもよくあります(渓流のガイドブックとか)。

ええ、僕もカラーにしたいです。魚や川の写真もその方がキレイだし、毛バリの色も分かるし。でも、それにはお金が……。

というワケで、ここで何が言いたいのかと申しますと、


「お願いですから皆様、釣りの本に愛の手を、いやもとい、本をもっと買ってください!」

たくさんの方が本を買ってくださると、それだけ本の値段も(きっと)下がり、書店様も仕入れを増やしてくださって「近所の本屋で探したけれど全然ないよ」という事態も(多少)改善されるかと……。

もちろん本の内容も日々努力、高めて参りたいと存じます。

よい渓流ガイドブックの見分け方!?

 春ともなれば書店や釣具店には渓流釣りのガイドブックがたくさん並びます。何冊もあると、どれを買おうかとあれこれ悩んだりするのもウレシイ時間。でもできれば自分に役立つ本を選びたいですよね。そこで、ちょっとだけお役に立つかもしれない「本の舞台裏」を…。

僕たちの渓流フィールド」(つり人社)の項でも書きましたが、ガイドブックは制作サイドがどれだけ読者の側に立って本を作っているかが大切だと僕は思い ます。たとえば、あなたが釣りではなくて旅館や料理屋のガイドブックを買うと仮定してみてください。何が気になりますか? どんな情報が載っているとあり がたいでしょう。そう考えると、よいガイドブックの条件というのはジャンルを問わず共通することがあります。

 たとえば料理屋。誰でも知っているお店ばかりを取材して載せてもあまり新鮮味はないですね。しかもそれが、写真は借り物(あるいは古い写真の使い回 し)、取材は店に行かず電話のみ、あとは過去の記事やインターネットで原稿をまとめて作ったとしたら…。こういう本を否定するつもりはありません。簡便な 情報が必要な方もいますし、このような本はおおむね安価で大量の情報を扱えるというメリットもあります。対して、掲載店を1軒1軒訪ねてまとめた場合、お 金も時間もかかります。それは本の値段にも反映されるかもしれません。しかし、取材者に確かな「目」があれば、その本は前者とはまた異なる価値をもつもの になるでしょう。

 話を戻して、これを渓流釣りのガイドブックで考えてみるとどうでしょう。「とにかく川がたくさん載っている本がいい」という方もいれば、「やっぱりきっ ちり取材してある本じゃないと」と思われる方もいるでしょう。取材の充実度という点でいえば、 「遊漁券の取扱所が具体的に記されているか」「掲載写真が橋の上から撮ったものだけかどうか」「入渓点が記されているか」「区間の参考釣り上がりタイムま たは距離が示されているか」「具体的な形相が述べられているか」などの点がチェックポイント。また、本(情報)の信頼性という点では、取材者(あるいは著 者)がどんな人なのか、ということもありますね。

さて、そんな目でもう一度書店や釣具店さんに並んだガイドブックをご覧になってみてください。自分がほしかったのはどの1冊なのか、見えてくるかもしれません。

渓谷の温泉宿 (野口冬人)


渓谷の温泉宿

温泉の第一人者が自薦する「釣り場とセットの温泉宿」ガイド!
   
温泉大国として知られる我が国。最近は特に新しい温泉施設も増え、手軽に温泉を楽しむ機会が増えました。< br>
本書は、全国3000箇所の温泉を踏破し温泉の第一人者として知られる著者が、近くで渓流釣りを楽しめる温泉を全国各地からピックアップ。どの温泉も著者が(時には何度も)足を運び、写真を撮り、文書をしたためたものだけに、世に散見される温泉情報とは本の説得力がひと味もふた味も違います。温泉施設は山間の一見宿から新しいホテルタイプのものまで、さまざまな宿が登場。内容は主に、

 1 エッセイ調の温泉の案内(建物、食事、温泉等の写真付き)
 2 釣り情報(渓流の写真、略図、解禁期間や漁協等のデータ付き釣りコラムなど)
 3 交通


の3点から成り立っています。北は青森から南は大分まで、全60の温泉&渓谷が登場。渓流釣りと温泉の情報が1冊になっていて、「あ〜釣りもいいけど温泉も入りてぇな〜」という方にはピッタリの1冊です。


   ■今週のピカイチ度 
 ■渓で冷えた身体も芯からポカポカ度 ★★★
   ■ついでに浮世の疲れも落としましょ、 ★★

 渓谷の温泉宿 (野口冬人)
A5判並製128P(全カラー)
定価 1,260円(税込)

※情報はほぼ週イチ更新です。★=3つが最高

〜制作の舞台裏〜
   
    月刊『つり人』の強力コラボレーション連載!


本書は弊社刊行物・月刊『つり人』の連載企画「渓谷の温泉宿」をまとめたものです。毎号1箇所を紹介し、実に5年も続いたご長寿人気連載でした。それだけ渓流ファンには温泉ファンが多いということなのでしょう。

本の前書きで書かれているのですが、実は野口さんは、温泉の世界ではいわずと知れた大家ですが、渓流釣りにはそれほど詳しくありません。そこで、渓流釣りの情報は『つり人』編集部がお手伝いをさせていただきました。こうして出来上がったのが本書なのです。

とはいえ、野口さんは渓谷を歩くこと自体は大好きです。そして渓谷のほとりにたたずむ温泉宿の魅力を、本書のはじめでこのようにご紹介なさっています。

― 渓のほとりには、昔のままの姿をとどめる温泉宿があった。年月を重ねてきたその建物は、私の気持ちをいつも引き付けて止まない。ヒノキの湯船に、あるいは岩を積み上げた手造りのような素朴な湯船にあふれる源泉の湯。しんしんと湧く出湯は何も語りはしないが、心にしみるものがある。世の片隅に押しやられ、陽の目を見ることもなく、忘れられた存在になっている小さな湯宿は、やはり私の心を打つ。そんな渓谷の湯宿が好きで、宿に上がっては旅仲間と酒を汲みかわして一晩中語り明かすのが常だった。―

どうですか。貴方も、温泉と渓流のせせらぎで身体温まり心洗われる、そんな温泉宿の釣り旅に出かけてみませんか。

17文字の釣り人生/17文字の釣り人生2(村田春雄・選者/もりなをこ・イラスト)

17文字の釣り人生(村田春雄・選者/もりなをこ・イラスト) 17文字の釣り人生 17文字の釣り人生2(村田春雄・選者/もりなをこ・イラスト)

あの「サラ川」を上回る面白さ!? 抱腹絶倒の釣り川柳ワールド

「サラリーマン川柳」をはじめ、世の中川柳流行り。精神の高みをゆく俳句に比べて、川柳はそのときどきの気分や世相を反映させて気軽に詠める(読める)楽しい世界。

本書は月刊『つり人』の同名連載(iモード「釣りキング」PCサイト「自分の楽しみ」コラボ企画)を一冊にまとめました。全国の釣り人から毎月寄せられる美句、笑句、怒句、哀句の数々を、センセイこと選者の村田春雄さんが吟味。大賞を選び、かつ自身も一句。選ばれた句には、センセイの選評とともに、イラストレーターがこれまた即興で挿絵を描くオマケ付き。読めば思わずニヤリ、そして自分も一句詠まずにはいられなくなる面白本です。


 ■今週のピカイチ度 
 ■通勤・行き帰りのお供に度 ★★★
 ■釣り人生は17文字だ!度 

 17文字の釣り人生 / 17文字の釣り人生 2
 B6変形判160P(続編=2は144P)
 定価 各945円(税込)

※情報はほぼ週イチ更新です。★=3つが最高

〜制作の舞台裏〜

この一冊に釣り人の悲喜こもごもが詰まってマス…

単行本にしてみて、釣り人の川柳には詠まれやすいテーマがいくつかあることに気がつきました。なかでも代表的なのは、「奥様ネタ」「ヘボヘボ系」の2つ。

前者は、厳しいヨメの視線をかいくぐっていかに釣りに行き続けるか?的なものが多く、その延長で「空っぽのクーラー」なんかもよくネタに使われています。子供が絡むと微笑ましい句も混じるのが、妻・夫の関係で詠まれた句の多くは鬼嫁系(ちょっと古いですかね…)。川柳子の多くは手痛い目に遭っているようです。魚は釣れないわ、ヨメには怒られるわ、でも釣りはやめられないってことで、みなさんなかなか大変です(笑)。

後者は自虐ネタ系。主に我が身のウデの未熟さ、釣り場のヒサン体験などを詠んだものが目立ちます。不思議なことにその度合いが深まるほど、傑作が詠まれる傾向にあるようです。自慢話は川柳になりにくいのかもしれません。釣りの本というと、昨今はどうしても技術解説書やガイドブックが求められる傾向にありますが、釣りの世界はもっともっと広くて愉快なはず。この本には「釣り人のホンネ」が詰まっていて実にオモシロイですよ〜。川柳を読んで、ヒヒヒと笑う自分の笑顔も、なぜか半分ひきつっていたりして。

最先端の道具、ウエアを身につけてするギンギンの釣りもいいですが、あっけらかんとして、川柳の一句でもひねりながら水辺でひとときを過ごす釣りも、またいいものです。

さあ、あなたも一句、いかがですか。
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